無機成因論

惑星(地球)内部には膨大な量の炭素が存在するのが自然であり、一部分は炭化水素の形で存在している。炭化水素は岩石よりも軽いので、地表へと染み出してくる。この無機成因論に基づけば、一度涸れた油井もしばらく放置すると再び原油産出が可能となる現象を説明することができる。最近、この傍証が次々と見つかっているとされる。例えば、ベトナム沖、メキシコ湾のユウジン・アイランド330の超深度油田から原油がみつかったとのことである。これらは化石燃料では考えられない深さである。また、化石起源であれば、なぜ中近東にのみ偏在するのかの説明が付かないが、日本エネルギー経済研究所によれば、無機説であれば、プレートテクトニクスでサウジアラビアも他の油田も説明できるとのことである。また、プレートテクトニクスからは、日本は、超深度さえ掘削できれば、石油の宝庫となる可能性があるともされる。

無機成因論の根拠としては「石油の分布が生物の分布と明らかに異なる(深い地層に埋蔵されている)」「石油の組成が多くの地域で概ね同一である」などがあげられる。 また、生物起源論が根拠としている、石油中に含まれる炭化水素の炭素同位体比を調べた結果、炭素数の少ない炭化水素ほど、質量の軽い炭素同位体を含む割合が多くなるという傾向は、地下から炭化水素が上昇する過程で、分子の熱運動により重い同位体が分離されたと説明することも可能だという。


また、トーマス・ゴールドの新しい説が2003年の Scientific American誌で発表され、それによると炭化水素は地球の内核で放射線の作用により発生するとされている。